思い返してみると私はこれといって働き方を教えられたことはないのだが、社会人をやっていく中でこうあるべきというのは薄々と感じつつある。最近後輩たちに小言を言わなければならない立場になってきたが、そのときによく言うことをここに挙げてみた。
コミュニケーション
主語を明確にする
日本語はなんとも適当な言語で、主語を抜いても不自然には感じない。訓練されているか、意識している人間でなければ、しばしば主語を抜いてしまい、聞き手からすれば「誰が何をしたのか?」がわからないということが往々にしてある。
ここで主語というのは文法的な定義による主語という意味だけでなく、動作主体が不明瞭なことも含んでいる。ここで童謡「すいかのめいさんち」の歌詞を引用するが、「ともだちができた すいかのめいさんち」の主語はおそらく「私」だが、省略されたものが本当に「私」かどうかは明確になっていない。
実際に仕事においては動作主体を読み間違えると解釈に変化が生じることがあるので、それほどに主語が果たす役割は大きい。
持論を述べる
結論を先に言う
相談をする・相談に乗る
仲良くなる
初対面の人と最初から仲がいいことはない。相手に対する印象は中立か、ちょっと悪いところから始まることが多いのではないだろうか。誰かがその人のことを悪く言っていたり、悪い人ではないんだけどね、みたいなことを言うものだから、それほどに悪い人かと思って話してみれば存外悪い人ではないし、むしろいい人のことだってある。
相手への好印象というのはコミュニケーションを重ねることで高まっていく。仲良くなればちょっとしたお願いや無理も聞いてくれるようになるし、何かあったときに融通を利かせてくれるかもしれない。仕事だからとビジネスライクな対応をすることは否定しないが、一歩踏みだすことで得られる恩恵は非常に大きい。
姿勢
結果に貪欲になる
矜持を持つ
隠さない
隠さないことは非常に重要だ。人間というのは失敗をどうにか繕って隠したくなるものだが、隠しても起きてしまった事実は変わらないし、隠している時間が長いほど事態は悪くなっていく。最善の方法は早々にゲロってこれからどうするかを仰ぐべきである。
多くの場合でこうしたインシデントの報告先は上司になると考えられるが、上司の仕事は事実をもとに次の適切な行動を決定することだ。そのため、隠すということは正確な判断をできないようにして組織をマイナスに傾ける行為になる。
会社ではみんなが運命共同体なので自分だけでなく全員を不幸にする。それがどれだけマイナスになるのかはわからないが、巡り巡って自分の給与や査定に響くことになるかもしれない。
技術
道具を使いこなす
思ったよりも道具を使いこなしていない人が多い。ここまで普及したパソコンであっても操作がおぼつかないことがあり、呼吸するかのように扱うことができないのであれば、せっかく思いついたことがあっても何らかの形をなすまでの待ち時間が長くなることを意味する。
どこかのコンサルが書いた本の中で、ショートカットキーを使いこなすという章があって当時読んだときは笑ってしまったが、ちょっとした操作が素早くできるというのはトライアルアンドエラーの反復回数を増やせるということでもあるので、それは最終的に大きな差となって現れる。
人や機械にやらせる
もしあなたが面倒だとか自分がやるべき仕事じゃないと思っているものがあれば、それは誰かに押し付けて自分の仕事を減らすべきだ。そして余った時間をネットサーフィンやもっと楽しそうな別の仕事のために充てるべきなのだ。けれどお願いひとつで仕事が増えることに同意してくれる人なんていない。
人間に依頼するにせよ、機械に指示するにせよ、必要なものがある。それは手順書だ。人間相手なら運用マニュアルということになるだろうし、機械相手ならプログラムになる。知見が言語化されているということは、誰がやっても同じ結果が得られる段階にまで一般化されているわけで、品質が高くなればなるほど断りづらくもなる。
すなわち言語化が得意な人ほど仕事をやらなくてよくなるし、楽もできるようになる。実際にはさらに高度な仕事がくるのでネットサーフィンをしている暇はないのだが。
プログラミングできる人は強い
ちょっとしたプログラムを読書きできるのは仕事人としてかなり有利だし、キャリア形成に有利に働く。反面、思いのほかプログラムを書くことに抵抗がある人は多い。Excelを使いこなしている経理担当者やJavaScriptを書いているWebデザイナーであってもプログラミングができない自認の人は多い。
私の経験する限り、プログラミングができる人はかなり強い権限を持つし、持てるようになる。必ずしも中規模~大規模なプログラムを書ける必要はなく、Pythonでちょっとしたアプリケーションを作れるか、計算ができるだけでも社内エンジニアなら「パソコン先生」の先に行ける。
また、プログラミングに対する抵抗感は昨今のグラフィカルなUIのイメージが先行しているのも一因ではあると思うが、本質的には黒いターミナルに白い文字が表示される程度のものなので、物事を難しく捉えすぎず、とりあえず飛び込んでみるくらいがいいのかもしれない。