やられた

数日前に遡るが、端的に言えば、「業務遂行能力がない人に制度を利用して逃げ切られた」だけのことだ。Aさんはとあるプロジェクトで一緒になった別部署の人で、新しい企画の業務設計を任されていた。そしてその仕様策定がなければ我々の仕事も進まない状況にあった。Aさんはわからないなりに知見のある人にも相談していたようだが、自分の役割や達成すべき目標が不明瞭なまま進んでいて、蓋を開けてみれば何も決まっていない。1ヶ月以上の時間をドブに捨てたのだ。こんな風に書くと新人かのように思えるが、立派な中堅社員である。

さすがに私も痺れを切らして会議の中で「そろそろ仕様が出ないと…」という話をしたのがすこし前の話。週明けの始業時間になるとすぐにメッセージが送られてきた。おそらく予約投稿だ。期待はしていなかったがメモ書き程度の仕様に加えて、相談したいことがいくつか書かれていた。その中には本来Aさんがするべき仕事も含まれていて、「お前の仕事だろ」と返すべきかどうしようかGeminiまで使って10分ほど悩んでしまった。やんわりとまさにそれを決めてほしいんですよ的なことを返すと「再検討します」と来た。もう遅えよ…。

上司とこれでは期待ができないと相談して、仕事人である『ビッグママ』を呼ぶ。ママは1年で産休育休から戻ってきてフルタイムで働いている剛の者だ。ママはいろんなことを知っていて、ケツ持ちができる。プロマネでもなんでもない私がかくかくしかじかと経緯の説明をして、代わりにプロジェクトに入り込んでくれないかとお願いをすると「その話、全部私のところに来てた」「不安しかない」とママ。結局ママに仕様策定から業務設計までお願いすることになった。そういうことで、と自分のPCのチャット画面に視線を戻すと、いつのまにかAさんが産休宣言をしているではないか。これまで尽力ありがとうとみんなに祝福され名誉の退場をするAさん。マジか。何も決まってないんですが…。

産休、育休、時短勤務何をしてもらっても構わない。急な容体悪化で産休が早まった人も見てきたし、子供の送り迎えも全然いい。保育園や幼稚園への入園は運が絡んでいるのもわかる。子供は貴重な財産であり未来の納税者だ。国や人類の発展への多大なる貢献であることは疑いようがない。しかし、同じ志を持って働く仲間同士であるからには最低限仕事に対する誠実さを見せてほしいと思うのは高望みだろうか。会社員として適切な教育や指導を受けてこなかったAさんが可哀想にすら感じてくる。いや、こんな仕事の仕方をしていれば、もしかすれば2~3年Aさんの退職が先延ばしになっただけなのかもしれない。